パックンチョ事件発生。そして下痢の原因がわかる【ブルドッグパピーライフDAY7】
(ブルドッグ出産記録)
出産から7日目。
ようやく7日目まできました。
体重は300グラムに。
まだ生まれたときの体重320グラムには及ばないものの、増加傾向になってきました。
ほっと一安心。
パピーが死ぬ確率が高い出産後の7日間「デッドゾーン」をなんとか乗り切れそう。
命の尊さと脆さをひしひしを感じた7日間でした。
パピーを育てたというより「なんとか死なさずに生き延ばしたした」という気持ち。
毎日が綱渡りの連続で、ほぼ毎日のようにJ&Kさんに電話で相談。
ハイパーストレスフルな1週間!
こんなにストレスを感じたのは、いつ以来だろうか・・・。
しかし、それもこれも、自分たちの犬の出産に関する知識のなさが原因。
インターネット上には、他犬種の出産に関する情報やブログはあるのですが、ブルドッグの出産に関する情報は皆無。
普通は母犬が子育てをするので、あまり人間の手はかからないようですが、うちのブルドッグに関しては、それがまったく当てはまりません。
母犬の産後の管理や、パピーの育て方の教えてくれるのはJ&Kさんと、中沢先生だけという、心もとない状況。
素人が思いつきでブルドッグの繁殖をするものではありません。
だただた猛省するのみです。
さて、例のてんがパピーを連れ去った事件後、はやり親子で過ごすの一番と思い、てんとパピーが一緒に過ごす時間を長くするようにしました。
ブルドッグは鈍感なのか、能天気なのか、不意にゴロンと寝っころがってパピーを圧死させたり、くわえようとして間違って本気で噛んでしまったりするそうで、親子一緒にさせるときは常に人間が見守っておかないといけないそうです。
ただし、てんの場合は意外と気遣いができるようで、丁寧にパピーを扱います。
それほど危うい感じはしません。
少しくらい目を離しても大丈夫なようです。
これまで厳重な監視体制でやっていたので、人間のほうもかなり気が張っていました。
精神的にかなり消耗していたので、てんにパピーを任せられると、精神的に少し楽になります。
家事も少し余裕をもってできるようになりました。
そんな最中の出来事です。
てんにパピーを任せて、ベランダで洗濯物を干していたときのことです。
「ムギャー! ギャー! ギャーッ!」
すごい声でパピーが鳴いています。
急いで部屋に戻ってみると、てんの口の中にパピーに頭が・・・!!
パピーの頭がてんに丸呑みされていて、パピーがてんの口の中でギャー、ギャー鳴いています。
あまりのホラーな光景に一瞬でパニックに陥る私。
「いや、ここは絶対に冷静にならないと」
「私がパニックになると、てんもパニックになって、あごに力はいって、パピーの頭を噛みちぎってしまう!」
瞬間的にそんな思いが頭をよぎり、すかさず物陰に姿を隠して、とにかく気持ちを落ち着けることに専念します。
「落ち着け、落ち着け」
「冷静に、冷静に」
「静かに、静かに」
「あせるな、あせるな」
そんなマントラじみたこと心の中で唱えながら、てんが口を開くのをじっと待ちます。
ほんの30秒ほどの時間だったと思いますが、それがどんなに長く感じられたことか。
しかし、てんは一向に口を開く様子もなく、パピーは相変わらず、ギャー、ギャー泣きわめいています。
どうやら、これはてんにとっても不測の事態だったようで、どうしていいかわからない様子。
もし、一瞬でもてんがあごに力を入れれば、パピーのか細い首はあっという間に折れ、瞬殺されてしまいます。
「このまま見守っていても、らちがあかない」
「しかし、私が出て行って、てんがパニックになったら、それもマズい」
行くべきか、行かざるべきか、ものすごい勢いで脳が計算します。
よし!
我慢の限界!
一気にてんのもとに駆け寄り、てんの上あごと下あごとぐいっと掴むと、まずはこれ以上口を閉じないように両あごを上下に思いっきり引っ張ります。
次に、口を開いてパピーの頭を取り出さなくてはいけません。
しかし、ブルドックのあごの力は超強力。
一度噛み付いたら、何があっても離さないのがブルドッグの習性。
しかし、そんなブルドッグの習性など、この際、知ったことではない。
あごが外れようが、取れようが、なんとしてでも、パピーの頭を取り出さなくては。
ここからは本当に無我夢中で、どうやったのかほとんど記憶がありません。
とにかく必死になって、てんに口を開かせ、口からパピーの頭を取り出したようです。
とにかく両者を引き離しパピーの状態を確認します。
えっ!
服に血が・・・!
「どう考えても、てんの血のはずがない」
「ということは、パピーからの出血だ・・・」
やってしまった・・・。
J&Kさんの「ブルドッグの親子一緒にするときは、絶対に目を離さないでください」という言いつけが頭をよぎる。
やってしまった・・・!
すぐに出血箇所を確認します。
一応てんの顔を見てみますが、顔の周辺には出血の形跡はありません。
やはり、出血元はパピーのようです。
恐る恐るですが、しかし、しっかり確認しなくてはいけません。
しかし、ざっと見た限り、パピーにも出血の痕跡はありません。
とはいえ、状況から考えて、歯もツメもないパピーがてんを傷つけるはずがありません。
あと考えられるのは口の中。
パピーがギャーギャー鳴いているときに、てんの歯がパピーの口の中に入ってしまった可能性があります。
しかし、パピーの口があまりにも小さすぎて、口の中がよく見えません。
とにかく様子を見るしかありません。
J&Kさんにも電話をして状況を伝えます。
「いやー、やっちゃいましたか・・・。万が一、口の中が裂けていたとしても、パピーなので手術は無理でしょう。病院に連れて行ってもやれることはないので、家で見守るしかないですね。無事だといいんですが・・・」
一瞬の油断がこんなことを招いてしまった・・・。
あれほど「目を離してはダメですよ」と言われていたのに。
半べそをかきながら、パピーをじっと見守ります。
今のところ、パピーはモソモソ動いてはいますが、いつ動きが止まるかと思うと、気が気ではありません。
パピーが静かに寝ていると、生きているのか心配になります。
胸がかすかに上下するのを見て、かろうじて生きているの確認します。
このまま手をこまねいていても仕方がない。
このままじって見守っていても、死ぬときは死ぬし、だったらやれることを全部やってみよう。
J&Kさんには病院に連れて行っても意味がないと言われましたが、ここはダメ元で行ってみることにします。
ただし、生まれてまだ7日目なので、病院ので感染症には十分な注意が必要です。
地元のかかりつけの動物病院はお昼休み中でしたが、電話をすると対応してくれました。
とにかく一度連れてきてくださいとのこと。
うちから動物病院までの距離は、歩いて10分程度ですが、何があるかわかりません。
大きめのバッグの中に湯たんぽを入れて、毛布でグルグル巻きにしたパピーをバッグに入れると、必要最小限だけファスナーを開けます。
両手でバッグを抱きかかえて、家を出ると、とにかく慎重に、しかし急ぎ足で病院に向かいます。
傍から見ると、大金の入ったバッグを人目につかないように運ぶ怪しい人物です。
長い長い10分を経て、病院に到着すると、昼休み中にもかかわらず、先生がスタンバイしてくれていました。
診察室に入ると、消毒済みのタオルの上にパピーを乗せます。
先生が、こうなった経緯を聞きながら、丁寧に診察をはじめます。
体の外側を一通り診察するも、傷はないとのこと。
一番疑わしい口の中をチェックします。
「口の中にも傷らしきものは見当たりませんね」
「じゃあ、あの血はどこから出たんですか・・・?」
「口の中がちょっと切れて、そこから出血したのかもしれませんね。口の中は傷の治りが早いので、出血してもすぐに血が止まるんです」
「でも、どこかから出血している可能性はありませんか?」
「もし出血が続いていたら、赤ちゃんなので、もうぐったりしてます。けっこう元気そうなので、一過性の出血だと思いますよ」
先生が入念に診察したうえで、そう診断したのなら、きっとそうなのでしょう。
少しほっとしました。
少し気持ちに余裕が出てきたのか、下痢のことをふと思い出したので、ついでに下痢のことも聞いてみます。
感染性の下痢の可能性もあるので、体温と細菌感染の有無を調べます。
体温は正常(38度くらい)。
細菌感染は、お尻のまわりに残っていたうんちのかすを取って検査します。
どうやら細菌感染はないようです。
ほっと一安心。
先生いわく、下痢の原因は、腸内細菌が母乳と人工ミルクにまだ適応できていないため、とのこと。
腸の状態は成長にしたがって、正常化するので心配ないそうです。
またパピーの食事については、
最初にできるだけ母乳を飲ませて、足りない分を人工ミルクで補う
ただし、パピーはまだ吐くことができないので、ミルクの飲ませすぎには注意する
1日に5%ほど体重が増えていくのが理想的で、それに応じて食事量も変えていく(ただし食べさせすぎないように)
といったアドバイスをもらいました。
もし、下痢が続くようなら腸整剤を出しますし、細菌感染しているなら抗生物質もあります。
低栄養からの低血糖や低体温になった場合は、点滴もできます。
パピーが大丈夫だったことに加え、食事方法や最悪の事態になったときの処置も教えてもらい、随分気持ちが楽になりました。
(もっと早く病院に連れてくればよかった)
パピーは免疫力が低いので、病院に連れて行って、感染症になるのが怖かったのですが、今回は病院に連れて行って正解でした。
ちなみに、下痢や軟便のパピーはお尻まわりにうんちがこびりついて、お尻と尻尾がくっついてしまいます。
特にブルドッグは尻尾が短く、お尻に張り付いているので、うんちが接着剤代わりになり、お尻と尻尾がくっつきがちです。
実際、うちのパピーも、お尻と尻尾が何度もくっつき、それを引きはがすのに苦労しました。
今回の受診の際、先生からお尻のケアについてもアドバイスをもらってきました。
それは、お尻を拭いた後に、ワセリンを塗っておくとよいとのこと。
実際にこのワセリン処置を試してみると、もう、その効果たるや絶大なんです。
うんち後のお尻拭きの回数が半分くらいになりました。
パピーも何度もお尻をゴシゴシされるのは嫌だったはずなので(たぶん)、パピーにとってもよかったと思います。
そしてなんと、病院に行った翌日から、サラサラの水下痢だったパピーのうんちが、時折、下痢にはなるものの、練りチューブ状に少しかたくなってきたのです。
先生の読み通りでした(感服)。
さあ、ここから体重を増やしていこう!
おっぱい出ろー!
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